「デイサービスなら、夜勤がないので自分のペースで働きやすいかも」と興味を持っている人へ。この記事を読めばデイサービスの仕事内容がわかります!
デイサービスとは?どんな仕事があるの?
デイサービス(通所介護)とは、利用者さんが自宅から日帰りで通う介護保険サービスです。
介護職は、利用者さんに食事や入浴などの介助サービスを提供したり、介護予防のための体操やレクリエーションなどを実施します。
デイサービスは、特養や有料老人ホームなどの入居系サービスと比べて、利用者さんの介護度が低いことが特徴です。身体介助が少ないため、介護職の身体的な負担も軽い傾向にあります。
お泊まりデイサービスを実施している事業所を除いて、基本的には夜勤もありません。
ただし、入居系サービスと違って利用者さんを送迎する必要があり、送迎車の運転を介護職が担当することもあります。
デイサービスの仕事内容
デイサービスの仕事内容は、特養や有料老人ホームなどの入居系サービスと比べて日常生活のサポートが少ない分、送迎があったり、レクリエーションの比重が大きいことが特徴です。

送迎
時間に合わせて送迎車で利用者さんの自宅へ迎えに行き、その日のサービスが終わったらまた自宅まで送り届けます。
送迎業務には、「添乗」と「運転」の2つがあります。「添乗」では、利用者さんの移乗介助はもちろん、狭い道での車の誘導を行うこともあります。
専属ドライバーがいない小規模な施設では、送迎車の「運転」を介護職が担当し、実際に運転したり、複数の利用者さん宅を効率よく回るための送迎ルートを決めたりすることがあります。

普通免許を持っていない人は、専属ドライバーが在籍しているデイサービスが安心です。大手法人のデイサービスや、特養・老健が提供しているデイサービスなどの求人を見てみましょう。
ただし、専属ドライバーのいるデイサービスの求人は数が少なく、多くの事業所では免許が必須となる傾向です。
また、送迎車はハイエースなど、10人程度が乗れるワンボックスカーが多いため、大きな車の運転に自信のない人は注意しましょう。
レクリエーション
利用者さんに楽しみながら健康を維持してもらうため、さまざまなレクリエーションやイベントを企画、実行します。
代表的なレクリエーションは、体操やダンス、体を使ったゲームなどの運動に近いもの、クイズやカードゲームなどの頭を使うもの、手芸や絵、書道といった手先を使うもの、合唱やカラオケなどです。
また、地元の幼稚園やボランティア団体、プロの演奏家や落語家などに施設に来てもらい、交流や鑑賞などのイベントなどを実施している施設もあります。
デイサービスでの1日の流れ
デイサービスで働く介護職の1日の流れは下記の通り。
お迎えからお送りまで、1日のスケジュールがきっちり決まっている場合が多く、残業もほとんどない傾向にあります。

デイサービスの種類と働き方の特徴
デイサービスには下記のような種類があります。
大規模デイサービス(利用者さんが26名以上)
利用者さんも職員も数が多いため、にぎやかでコミュニケーションが活発になります。設備や研修制度などが充実していることも多いため、働きやすいと感じる介護職も多いかもしれません。
ただし、その日の利用者さんの顔と名前をたくさん覚えなければならないのが大変、という声も。
通常規模デイサービス(利用者さんが19名以上)
施設数の多い、もっとも一般的なデイサービスです。
小規模デイサービス(利用者さんが18名以下)
人数が少ないためアットホームな雰囲気の中、一人ひとりの利用者さんににしっかり向き合うことができます。
大人数の中で慌ただしく働くのが苦手な人にとっては働きやすい環境でしょう。
リハビリ特化型デイサービス
歩行訓練や筋力トレーニングなど、リハビリに特化しています。
午前・午後どちらか半日での利用で、食事や入浴といったサービスは提供していないため、介護職による身体介助が少ない傾向にあります。
認知症対応型デイサービス
認知症の利用者さんへの対応に特化しており、機能訓練などもサービスも提供しています。1日の定員が12名以下と決まっているため、利用者さんとじっくりかかわることができます。
また、認知症に対する知識を深めることもできます。
お泊まりデイサービス
宿泊設備を備えたデイサービスのことで、デイサービスの利用者さんがそのまま施設に宿泊します。
介護職は夜勤が発生しますが、基本的に利用者さんの介護度は入居系サービスに比べれば低いため、夜勤中の業務負担は少なめになると考えられます。
デイサービスで働くメリット
デイサービスで働くメリットは以下のとおり。

夜勤なしで働ける
お泊まりデイサービスを除けば、基本的にデイサービスは夜勤なしで働くことができます。
利用者さんが施設に住んでいるわけではないので、日勤のみで働けることは大きな魅力です。また、タイムスケジュールがほぼ決まっているため、残業が発生しにくいのも特徴です。
体力に自信がなくてもOK
デイサービスは利用者さんの介護度が全体的に低く、身体介助も入居系サービスに比べれば少ないため、体力に自信がなかったり、腰痛持ちの人でも働きやすい傾向にあります。
また、介護度の低さから利用者さんとのコミュニケーションが取りやすく、会話が弾んだりするのが楽しいという人もいます。
無資格・未経験でも働きやすい
デイサービスは身体介助が少ないことが多いため、資格を持っていない人や介護職未経験の人でも働き始めやすい傾向にあります。
また、身体介助に初任者研修以上の資格が必須の訪問介護と違って、デイサービスでは無資格であっても食事介助や入浴介助、排泄介助などの身体介助を行うことができます。
デイサービスで働くデメリット
デイサービスで働くデメリットは以下の通り。

給料が低め
デイサービスでは夜勤がないため、夜勤手当がつく入居系サービスなどと比べると全体的に給料の水準は低めです。
『令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果』(厚生労働省)によると、デイサービスの平均月給は、もっとも高い特養と比べると5~7万円ほど低くなっています。
スキルアップが難しい
デイサービスは無資格・未経験でも働きやすい半面、身体介助が少ない傾向にあるため、介護職としてのスキルアップは少し難しいかもしれません。
デイサービスでの経験しかないと、他の施設形態に転職した際に、仕事についていくのに苦労する可能性があります。
ただし、レクリエーションなどの経験を積みたい方や、利用者さんとのコミュニケーションスキルを磨きたい人には合っているかもしれません。
そもそも求人が少ない
現在、デイサービスの求人の状況はあまり良くありません。
そもそもデイサービスはコロナ禍で全体的に稼働率が下がっているため、求人が減ってきています。
また、昨今の物価上昇に伴い、送迎車のガソリン代、食事やおやつの費用も高騰しているため、職員の給料は少し上がりにくくなってきています。
デイサービスで働くのに向いている人
デイサービスで働くのに向いている人は以下の通り。

デイサービスは、日勤のみで働きたい人に向いています。
同じ夜勤がない職場でも、訪問介護と違って身体介助が少ないことから、腰痛などがあって身体負担を減らしたい人にオススメです。
また、利用者さんの介護度が低く会話などもしやすい環境なので、利用者さんとコミュニケーションに介護のやりがいを感じる人にもオススメです。
また、レクリエーションに力を入れたい人もデイサービスは満足いく働き方ができる可能性が高くなります。
さらに、免許のある人、大きめの乗用車でも運転できる自信がある人も、デイサービスで働く上では大きな強みとなります。

夜勤なしで働けるデイサービスは、子育てや介護などで夜勤ができない人にとって魅力的な職場です。
その分、給料が少なめだったり、条件に合う求人が見つけづらい傾向にありますので、転職先の候補に考えている場合はしっかり情報収集して納得できる職場を見つけましょう。