介護職の給料相場はどのくらい? この記事では、年収・月給・ボーナス相場を紹介します。さらに、施設形態別、資格別、勤続年数別でも紹介しているので、現在の給料と比べたり、転職の際の参考にしてください。
介護職の月給・ボーナス・年収相場
介護職の給料を、月給、ボーナス、年収をそれぞれ紹介します。
※下記は、現場の介護スタッフの給料相場です。ヘルパーやケアマネジャー、生活相談員などの職種は含まれていません。
※ヘルパー(訪問介護)の給料について詳しくはこちら→『訪問介護員(ホームヘルパー)の給料は?年収/月給/時給で解説』
勤続年数や保有資格によって給料が異なるので、あくまでも平均額ですが、介護職の月給は23万円〜36万円程度です。年収は340万円〜510万円程度、ボーナスは50万円〜70万円程度となっています。
実際の手取りの給料は上記の金額の75〜80%程度のため、手取り月給は18万円~28万円程度、ボーナスの手取りは40万円~55万円程度、手取り年収は270万円~400万円程度となります。
施設形態別、資格別、勤続年数別の介護職の給料
介護職の給料は、施設形態、保有資格、勤続年数などによって異なります。
施設形態別、保有資格別、勤続年数別にそれぞれ平均月給を紹介します。転職の際の参考にしてください。
施設形態別の介護職の給料相場
施設形態別に見ると、介護老人福祉施設(特養)がもっとも月給が高く34万5,590円、次いで介護老人保健施設(老健)が健33万8,390円、介護付き有料老人ホームが31万9,760円と続きます。
訪問介護やデイサービス、デイケアは夜勤のある施設勤務の介護職に比べるとやや低い傾向にあることがわかります。介護施設とは違って夜勤がないため、夜勤手当がないことによって給料に差が出てきます。
また、介護付き有料老人ホーム、デイサービス、デイケア、グループホームなどの事業所は民間事業者(株式会社)が運営しているため、法人の規模や内部資格に対する手当の有無などによって給料が大きく異なる傾向があります。
保有資格別の介護職の給料相場
保有資格別の介護職の給料相場は、保有資格なしで27万1,260円、初任者研修で30万510円、実務者研修で30万7,330円、介護福祉士で32万8,720円、介護支援専門員で36万2,290円です。
介護業界は勤続年数(経験年数)だけでなく、保有資格によっても給料が大きく変わる傾向があります。そのため、初任者研修に比べると介護福祉士の方が、介護福祉士に比べると介護支援専門員(ケアマネジャー)の方が給料相場が高くなります。
勤続年数別の介護職の給料相場
勤続年数別の介護職の給料は、1年目~4年目で31万2,100円、5年目~9年目で32万5,000円、10年以上だと35万5,010円です。なお、全体平均は勤続年数9.5年で33万4,510円となっています。
この結果から、1つの法人で長く勤めた方が給料は上がりやすい傾向にあることがわかります。
アルバイト、パートの介護職の給料は?
アルバイトやパートといった非正規雇用で働いている人の給料はどの程度でしょうか。時給と月給を紹介します。
アルバイトやパートの介護職の時給は1,130円で、月給にすると11万3,490円となっています。
月給11万3,490円の場合、時給1,130円で計算すると月に約100時間程度働くということになり、20日勤務だとすれば1日5時間勤務と考えることができます。
アルバイトやパートなどの非正規で働くメリットとして、働く時間を自分で決めやすいことが挙げられます。
働く時間によって月給が決まり、仮に1日6時間勤務だと13万5,600円、7時間勤務だと15万8,200円です。
介護業界には非正規雇用で働いている人もたくさんいて、その割合は全体の43.7%となっています。さらに詳しく見ると、訪問介護などの訪問系サービスにおける非正規割合は54.0%、特別養護老人ホームや介護老人保健施設などの施設系サービスは36.3%、デイサービスなどの通所系サービスは51.1%です(『令和元年度介護労働実態調査』介護労働安定センター)。
子育てや親の介護、体力などの状況を考慮して働き方を選べるというのが介護業界のメリットです。フルタイムで働くことができる場合は正社員登用をしている法人も多くあります。
介護職とほかの職種の年収・月給・ボーナス比較
介護職と訪問介護員(ヘルパー)、サービス提供責任者、生活相談員、ケアマネジャーといったほかの職種の給料を比較してみましょう。キャリアアップや資格取得の参考にしてみてください。
職種別に年収を比較すると、介護職が240万円~450万円、訪問介護職員が220~410万円、サービス提供責任者が330~480万円、生活相談員・支援相談員が330~490万円、ケアマネジャーが340万円~510万円となっています。
月給の比較では、介護職が19万円~33万円、訪問介護職員が18~30万円、サービス提供責任者が22~35万円、生活相談員・支援相談員が22~36万円、ケアマネジャーが23万円~36万円です。
ボーナスを比較すると、介護職が30万円~60万円、訪問介護職員が30~50万円、サービス提供責任者が45~65万円、生活相談員・支援相談員が50~70万円、ケアマネジャーが50万円~70万円です。
特に、ボーナス金額は法人によって大きく異なります。求人票やホームページなどに表記がある場合もあるので、チェックしてみましょう。
介護職が給料をアップさせる方法
介護職が給料をアップさせられる可能性が高い方法を4つ紹介します。
資格を取る
給料アップのためにまずできることとしては、資格を取ることです。
「保有資格別の介護職の給料相場」の章でも紹介しましたが、保有資格によって給料が大きく異なります。初任者研修や実務者研修の資格で介護職として働いている人は、国家資格である介護福祉士を目指してみましょう。
夜勤回数を増やす
夜勤回数を増やすことも給料アップにつながります。
夜勤1回につき夜勤手当が5,000円~8,000円程度つくので、体力や家庭の状況を考慮のうえ、回数を増やすことを検討してみましょう。
夜勤専従という、夜勤専門の職員として勤務することが可能な施設もあります。「夜勤専従」というキーワードで求人を探したり、いま勤めている施設で夜勤専従ができないかを管理者に相談してみるとよいでしょう。
勤続年数・経験年数を伸ばす
介護職の給料をアップさせるためには、勤続年数と経験年数を伸ばすことが欠かせません。
これはどの法人のどの職種にも言えることで、介護業界全体で勤続年数と経験年数に応じて給料が決まる傾向があります。
着実にスキルを身に着け、勤続年数と経験年数を積み上げることが大事であることを頭に入れておきましょう。
施設や法人によって、給料アップにつながる経験や実績(働き方など)は異なります。
働きながら、「評価されやすい」「昇給しやすい」経験やスキル、実績はどうのようなものかを上司や管理者に確認してみるのもよいでしょう。
転職する
転職することも給料アップにつながる可能性が大いにあります。
地域や法人の種類、施設種別によって、同じ職種でも給料が異なることは珍しくありません。いろいろな求人を見比べてみて、給料の高い求人がないか探してみましょう。
転職をする際には、給料はもちろん重要ですが、働きやすさや働く環境も同じくらい重要です。
給料だけで転職先を決めるのではなく、より長く働ける施設、事業所かどうかを見極めるようにしましょう。
自分だけで求人を探すことが難しいと感じる人は、求人探しから面接対策まで全般的にサポートを受けられる転職エージェントの利用もおすすめです。
(参考)
『令和元年度介護労働実態調査』(公益財団法人 介護労働安定センター)
『令和2年賃金構造基本統計調査』(厚生労働省)
『令和2年賃金構造基本統計調査による職種別平均賃金(時給換算)』(厚生労働省)
『令和3年度介護労働実態調査 事業所における介護労働実態調査 結果報告書』(公益財団法人 介護労働安定センター)
『令和3年度介護労働実態調査 介護労働者の就業実態と就業意識調査結果報告書』(公益財団法人介護労働安定センター)
『令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果』(厚生労働省)