片麻痺がある方でもできる、いすに座っておこなうストレッチ体操です。首と肩を伸ばし、気持ちよさを感じながらリラックスができます。運動意欲の向上にもつながります。
参加人数、所要時間、効果など
- 参加人数
- 1人~
- 所要時間
- 5~10分
- どこを使うか
- 体、心
- 効果
- 首や肩のリラクゼーション
- 麻痺側の下肢への刺激
- 運動意欲の向上
用意するもの
- 特になし
体操のやり方
隊形
扇形または対面形など、支援者の姿が見えるように座る。
導入
無理のない運動でも全身によい効果があることを説明して誘う。
体に合ったいすを用意。背もたれに寄りかからず、麻痺側の下肢にも体重がかかるよう、胸を張って上体がやや前方に位置するように座り、足はやや開きます。
肩の運動
ひざの上で健側(けんそく)の手で患側(かんそく)の手を持ち、重なり合うよう両手を組む。
手を組んだままゆっくりと腕を上げ、腕の輪から顔がのぞくところまで伸ばす。
頭の上か後頭部に手を置く。患側の手が上がらない人は健側の手だけでOK。
両手を組んだ姿勢で胸を開き、次にひじを目の前に寄せて閉じる。
首と肩のリラクゼーション1
まず息を吐きながら肩を上げる。
次は簡単な肩の上げ下げです。呼吸を意識するとリラックス効果が違います。息をいっぱい吸って、吐きながら肩を上げていきましょう
息を吐ききったら肩を下ろす。
「ふ~」でも「は~」でもいいですよ。お風呂につかったときのように、脱力した感じをイメージしてすとんと肩を落としましょう
首と肩のリラクゼーション2
息を吐きながら肩を上げ、肩を上げたまま息を吸う。
息を吐きながら、「ふぅ~」と声を出して肩を下ろして脱力する。
まとめ
「快」を感じることが運動意欲を引き出す
姿勢を意識する、ゆっくり体を動かす、呼吸を意識する、さまざまなステップが体のコントロールやリラクゼーションに役立ちます。「気持ちよさ」を再確認して、運動意欲につなげましょう。
ゆっくりと手や肩を動かしながら、「ああ気持ちがいい」と感じることで体はほぐれていきます。回数や時間は体のペースでいいですよ
アドバイス「こんなときは…」
肩の上げ下ろしはリラクゼーションの効果も
体格に合ったいすで両足の裏が床に着いた状態で体操すると、ふだんほとんど体重のかからない麻痺側の下肢に無理のない刺激を与えることができます。特に肩の上げ下ろしは、リラクゼーションにも効果的です。
支援者が呼吸法を身につけておくと、利用者にリラックスしてほしいときにいつでも行うことができます。介護スタッフも体操を覚えて、利用者の麻痺が進まないようにしましょう。
監修/杉浦史晃
※本記事は『もっと笑顔を引きだす!ユーキャンの介護レクリエーション春夏秋冬』(ユーキャン/2014年10月27日発売)の内容より一部を抜粋・再編集して掲載しています