介助者が車椅子の人と向かい合って行う体操です。手を取りあったり、叩いたり、リズムにのって身体を動かしましょう。9つの体操を紹介します。
参加人数、ねらい
- 参加人数
- 2人1組
- ねらい
- 手をつなぐことでスキンシップを図る
- 上肢の運動で、股関節や手首を強化する
用意するもの
- 水分補給用の飲みもの
- ラップの芯またはタオル
- 音楽
- カセット、CDなど
楽しむためのポイント
体操のやり方
9つの体操レクリエーションをそれぞれイラスト付きで紹介します。
【体操1】両手をつないで揺らす
介助者と手をつなぎ、左右にゆっくり揺らす。
はじめは身体の幅くらいから。慣れてきたら左右に大きく揺らす。また、両手を広げたりしてみる。
【体操2】手を上げる
介助者が上げた手と同じ手を上げる。ゆっくりと数回行う。
【体操3】手のひらに両手を乗せる
手のひらを上にして両手を前に出す。介助者はその手の上に手のひらを乗せる。
次は介助者が手のひらを上にして、相手がその上に手のひらを乗せる。上→下→上→下とゆっくりくり返す。
【体操4】バンザイタッチ
相手と向かい合って介助者も椅子に座る。両手を上げてバンザイする。
相手の左手のひらと、介助者の右手のひらを合わせる。左手→右手→左手→両手など、いろいろ変えて行ってみる。
【体操5】ひざを揺らす
介助者はひざをついて相手の両ひざを持ち、ゆっくり揺らす(ゆする)。
【体操6】両手で引っぱりっこ
テーブルをはさんで向かい合って座る。両手をつなぎ、「い~ち(1)」で介助者がゆっくり手を引く。
相手は上体をテーブルに伏せるように両手を前に伸ばす。
「に~い(2)」で伏せた上体をゆっくり起こしながら手を引き、今度は介助者がテーブルに伏せる。
これを交互に、舟をこぐような感じでゆっくりと行う。
【体操7】片手で引っぱりっこ
テーブルをはさんで向かい合って座る。「【体操6】両手で引っぱりっこ」での運動を、今度は片手をつないでやってみる。
握手をするようにお互いの右手どうし(あるいは左手どうし)をつなぐ。「い~ち」「に~い」とゆっくり引き合う。
次に逆の手をつないで同様に。相手の疲れ具合を見ながら数回行う。
【体操8】顔を左右に向ける
最初は上体を起こしたまま、両手を広げてテーブルにおく。顔を右、左に向ける。
次に、両手を広げたままテーブルに上体を伏せる。顔を右に向けて10、左に向けて10、正面に向けて10数える。
【体操9】ラップ芯を持って腕を伸ばす
テーブルの上でラップの芯を両手で持ち、手前から少しずつ腕を伸ばしてすべらせていく。
腕が伸びきったら、手前に引いて元にもどす。
握れない人はタオルを使うとよい。丸めたタオルの上に両手を乗せ、すべらせる。1人でするのが難しければ介助者が手伝ってあげる。
【著者からアドバイス】介助のポイント
- 痛みのない範囲でくり返します
- 力を入れないようにして行ってください
- 肩のマッサージをよく行いましょう
- 水分をこまめにとるようにします
- ときどき、深呼吸をしてもらいましょう
- 身体が動きにくいことはないかよくチェックします
- 急に回数を増やさないようにしましょう
編著者/原田律子
※本記事は『高齢者も楽しい 車椅子でできる健康体操&レク』(いかだ社/2005年3月12日発売)の内容より一部を抜粋・再編集して掲載しています