ケアマネジャー・きょうしろうさんに介護職にとってためになるケアのノウハウを伺っているこの企画。前回は「【漫画でわかる】おむつ交換の手順」を解説しました。今回は、ある北欧の介護施設の「ティルト・リクライニング式の車椅子の使い方」をきょうしろうさんが漫画でご紹介し、We介護の介護士ちゃんがナビゲートします。
体位変換や圧抜きをするのは褥そう予防のため
介護職をしていると、体位変換や圧抜きを毎日のように行いますよね
そうですね、2時間おきに実施する、などルールを決めている施設もあるみたいです!
これって褥そう予防のために実施されているんですけど、そもそも体位変換や圧抜きをしないと、利用者さんに大きな負担がかかるんです……(;・∀・)
たしかに、健常者の方でも長時間ずっと同じ姿勢で座っているのはつらいですよね
そうそう。そこで、考案されたのが下の写真のようなティルト・リクライニング式の車椅子なんです
ティルト・リクライニング式……?
初めて聞きました!どんな車椅子なんですか?
ざっくり説明すると、背もたれや座面の角度を変えられる車椅子なんです
すごい、そんな便利な車椅子があるんですね……!
ティルト・リクライニング式の車椅子をどう活用する?
ただ、ティルト・リクライニング式車椅子でも、同じ姿勢のまま長時間だと座っていたらさすがにしんどいです
うーん……誰がいつやるのかって、難しい問題ですね!
いつも仕事に追われているから、ルール化しておかないと忘れてしまいそう……
そうなんですよね。でも、一日中ベッドで寝たきりより、昼間は好きな場所でくつろいでほしいですよね
たしかに、車椅子だと移動して好きな場所で過ごせそうです!
日当たりの良い場所、みんなが集まっている場所とか
そうそう。だから車椅子で快適に過ごせることってすごく大切なんです!
そこでご紹介したいのが、北欧のとある介護施設でのお話です
ティルト・リクライニング式車椅子の除圧について、効果的かつ興味深い工夫をしています
「おはよう」のついでに。ある北欧の施設の工夫
これは面白い取り組みですね……!!
通りすがりに、みんなが声をかけながら姿勢を変えてくれるって温かみがあっていいですね
それにチェック表を作るといった業務負担を増やすのではなく、みんなで意識を共有しておくだけで職員間の負担をうまく軽減しているのが素晴らしいです!
そうですね。ただ、人手不足の職場だったり、褥そう予防の知識をもつ方が少なかったりする施設だと、なかなか取り入れるのは難しいのが現状です……
うーん……(´・ω・`;) たしかに、誰か一人が頑張ればいいってわけではないですよね
でも、この北欧の介護施設で実践されている「みんなで良いケアを繋いでいく介護」の考え方は、とても重要だと思います
ケアの方法や質をしっかり職員間で共有し、良いケアを繋いでいくことが利用者さんのQOL(クオリティ・オブ・ライフ。生活の質のこと)の向上にも活かされるはずです
そう思います! それにしても、福祉用具も本当に便利になっていますね
福祉用具も日々進化しています
利用者さんがより快適な暮らしになるように、これらをしっかり活用しながら工夫していきましょう
(参考)
株式会社ミキ『GF・Uni Dash_sp』
漫画/きょうしろう
構成・文/編集部
写真提供/株式会社ミキ