【介護施設のクレーム対応まとめ】クレーム対応の全体的な流れと後日のフォローアップのポイント|トラブル対策編(第70回)

【介護施設のクレーム対応まとめ】全体的な流れと後日のフォローアップのポイント | トラブル対策編(第70回)

ここまで見てきたクレーム対応のポイントを整理してみましょう。「クレームへの適切な対応」と「お客様への後日のフォローアップ」について、ポイントを7つにまとめました。

適切なクレーム対応方法を解説

クレームの申し立てに対する適切な対応方法を分かりやすく説明するために漫画にまとめました。

「介護施設のおける適切なクレーム対応の流れ」を説明する漫画|介護リスクマネジメント

クレーム対応のポイントは以下の5つです。

No. ポイント 対応方法
番号1
  • 相手に賛同・同調することによって、たかぶった気持ちを落ち着かせる
  • 相手の主張は最後までしっかり聞き取る
お客様の主張に対して即座に謝罪し、クレーム内容をより深く理解しようと努めた
番号2
  • 申し立ての要旨を復唱する
  • 相手がどうしてほしいかを的確に確認する
傷の状態と、質問の内容を確認した
番号3
  • 問題を解決するための時間をもらうことに対して、相手に了承を求める
担当の者に確認をとる時間をもらえるかを尋ねた
番号4
  • 問題解決のために具体的に動く
  • 問題解決のための手配を確実に行う
傷を見ないと判断できないので、訪問していいか尋ねた
番号5
  • なるべくお客様の要望に添う結果になるように、速やかに行動に移す
傷を確認後、提携している整形外科への受診に同行した

お客様への後日のフォローアップ

信頼関係を向上させるために、後日のフォローアップは欠かせません。次のようなポイントを押さえましょう。

「介護施設のクレーム対応における、後日のフォローアップ」を説明するイラスト|介護リスクマネジメント

フォローアップのポイントは次の2つです。

No. ポイント 対応方法
番号6
  • 今回の事故を重く受け止め、再発防止に向けて取り組む施設側の姿勢を伝える
  • 今後も安心して利用してもらえるようにする
問題が解決してから時間をおかずに原因を究明し、改善を行ったことを説明した
番号7
  • クレームは施設側の気づきのチャンスであり、申し立ててくれたお客様は施設の改善に貢献してくれたありがたいお客様として扱う
お客様のおかげで、それまで気づかなかった危険を把握できたことを感謝する

著者/山田滋
監修/三好春樹、下山名月
編集協力/東田勉
イラスト/松本剛

※本連載は『完全図解 介護リスクマネジメント トラブル対策編』(講談社)の内容より一部を抜粋して掲載しています

書籍紹介

完全図解 介護リスクマネジメント トラブル対策編

介護リスクマネジメント  トラブル対策編

出版社: 講談社

山田滋(著)、三好春樹(監修)、下山名月(監修)、東田勉(編集協力)
近年、介護事業者と家族のトラブルが増加しています。介護現場は、トラブルになりやすい事故が多いにもかかわらず、対策が未熟な施設が少なくありません。事故が起きた際の適切な対応手順をしっかり学べる一冊です。

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  • 山田滋
    株式会社安全な介護 代表

    早稲田大学法学部卒業と同時に現あいおいニッセイ同和損害保険入社。支店勤務の後2000年4月より介護事業者のリスクマネジメント企画立案に携わる。2006年7月よりインターリスク総研主席コンサルタント、2013年5月末あいおいニッセイ同和損保を退社。2014年4月より現職。

    ホームページ |株式会社安全な介護 公式サイト

    山田滋のプロフィール

  • 三好春樹
    生活とリハビリ研究所 代表

    1974年から特別養護老人ホームに生活指導員として勤務後、九州リハビリテーション大学校卒業。ふたたび特別養護老人ホームで理学療法士としてリハビリの現場に復帰。年間150回を超える講演、実技指導で絶大な支持を得ている。

    Facebook | 三好春樹
    ホームページ | 生活とリハビリ研究所

    三好春樹のプロフィール

  • 下山名月
    生活とリハビリ研究所 研究員/安全介護☆実技講座 講師

    老人病院、民間デイサービス「生活リハビリクラブ」を経て、現在は「安全な介護☆実技講座」のメイン講師を務める他、講演、介護講座、施設の介護アドバイザーなどで全国を忙しく飛び回る。普通に食事、普通に排泄、普通に入浴と、“当たり前”の生活を支える「自立支援の介護」を提唱し、人間学に基づく精度の高い理論と方法は「介護シーン」を大きく変えている。

    ホームページ|安全な介護☆事務局通信

    下山名月のプロフィール

  • 東田勉

    1952年鹿児島市生まれ。國學院大學文学部国語学科卒業。コピーライターとして制作会社数社に勤務した後、フリーライターとなる。2005年から2007年まで介護雑誌『ほっとくる』(主婦の友社、現在は休刊)の編集を担当した。医療、福祉、介護分野の取材や執筆多数。

    ホームページ |フリーライターの憂鬱

    東田勉のプロフィール

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