「ひざ裏のばし」に取り組んでいる方のなかには、フレイルからの体調改善に成功した方も多数いらっしゃるとのこと。そこで今回はフレイルさん・車椅子さん向けのポーズ「椅子ひざ裏のばし」をご紹介します。フレイルの進行抑制、介護度を下げることを目標にして、コツコツと毎日続けることが大切です。
フレイルさん・車椅子さんの体の状態
「フレイルさん・車椅子さんの体の状態」の体は次のような状態になっています。
介護を受けている人は、介護度を下げることを目標に。まだ介護を受けていない人は、フレイル予備軍さんを目標にしてください。
ひざ裏をのばし、全身の機能を高めましょう。
フレイルとは?
「フレイル」は日本老年医学会が提唱する概念で、「健康と要介護状態の間の、弱っている状態」をさします。多くのシニアは、フレイルの段階を経て要介護状態へ進むといわれています。
フレイルは「虚弱」を意味する英語「frailty」を語源としてつくられた言葉で、体の状態だけでなく心の活力や噛む力、飲み込む力なども考慮して判断基準が設けられています。
「椅子ひざ裏のばし」のねらいと効果
「椅子ひざ裏のばし」は、ひざ裏をのばし、血流をアップさせ、同時に体幹を強化するポーズです。
ひざ裏をのばして血流をよくするほか、おなかに力を入れて背すじをのばすことで体幹も強化されます。
ねらいは、腰痛改善、体幹強化、姿勢改善、血流アップです。
【写真で解説】「椅子ひざ裏のばし」をやってみよう
それでは、「椅子ひざ裏のばし」のポーズを行う方法を解説していきます。
ひざが腫れたり痛んだりする場合は、無理をせず中止してください。
川村先生よりワンポイント・アドバイス
本連載でご紹介しているのは、体の状態にあわせた「基本のポーズ」です。自分に当てはまる体の状態の「基本のポーズ」ができるようになってきたら、少しずつ運動量を増やしていきましょう。
基本のポーズを行う回数や秒数を増やしてもいいですし、書籍『奇跡のひざ裏のばし』の同じ章から別のポーズを選んで、ポーズの種類を増やしてもOKです。
「壁ドン」系や「アオサギ」系の運動は、書籍の複数の章で紹介していますので、無理をせず、体の状態にあわせて章をさかのぼるようにチャレンジしてみるのもお勧めです。その場合は、1つ前の章のポーズを行い、体のレベルを上げていくことを目標にしてくださいね。
第5回は、寝たきりさん向けのケア、「アオサギ(あおむけ)」をご紹介します。お楽しみに!
第3回「椅子ドン」はこちらからお読みいただけます。
著者/川村明
素材提供/世界文化社
※本記事は『奇跡のひざ裏のばし』(世界文化社)の内容より一部を抜粋、再編集して掲載しています