【レクにも使える】ひざ裏のばしの基本ポーズ「壁ドン」を解説|奇跡のひざ裏のばし(1)

【体操レクにも】ひざ裏のばしの基本ポーズ「壁ドン」を解説 | 奇跡のひざ裏のばし(1)

「ひざ裏のばし」はレクにも使える、1日たった5秒からできるかんたん体操です。「体の不調が改善された!」と話題になっているので、ご存じの方もいらっしゃるかもしれません。ぜひ、介護現場でも取り入れたいですよね! そこで、「ひざ裏のばし」の発案者・かわむらクリニック川村明医師の新著『奇跡のひざ裏のばし』(世界文化社)から全5回で基本ポーズをご紹介します。第1回は「壁ドン」です!

どうして「ひざ裏」をのばすの?

体の不調を改善するには、伸展力の起点となっているひざ裏をのばすことが大切です。ひざ裏をのばすと骨盤が立ち、おなかに力が入り、背すじがのびて、肩や胸が開きます。

「伸展力」とは、体をのばす筋肉の力のことです。主に体の後ろ側の筋肉が伸展力を担っていて、重力に逆らい、体をまっすぐにして立っています。

【ひざを伸ばせば不調が改善!】ひざが曲がると心身に不調が・・・。1)ひざがのびる→2)骨盤が立つ→3)背中がまっすぐに→4)肩や胸が開く。ひざを伸ばせば、ひざ痛、腰痛、腸トラブル、血行不良、免疫力、自律神経、認知機能、全てがスッキリします。

加齢や病気によって伸展力が衰えると、体は重力に逆らえなくなり、まず伸展力の起点となっているひざが曲がります。ひざが曲がると、太ももの筋肉が縮む→骨盤が後ろに倒れる→腹筋がゆるむ→背中が曲がる→首や肩が前に出る、というふうに連鎖反応が起こり、腰の曲がった姿勢になってしまうのです。

まっすぐ立てなくなると次のような不調を招きます。

  1. 姿勢の悪化からなる腰痛・腸のトラブル
  2. 呼吸が浅くなることによる血行不良・代謝の低下・免疫力の低下・自律神経の乱れ・認知機能への悪影響など
  3. ひざが曲がることで歩きにくくなり、転びやすくなる

骨盤が立つと内臓の働きがよくなります。肩や胸が開くと呼吸が深くなり、体幹に力が入りますし、代謝と免疫力が上がり、自律神経が整います。さらに、ひざ裏がのびることで歩きやすくなるので、運動量が増えます。

ひざ裏をのばすことで、体の調子を整えていくことができるのです。

「壁ドン」のねらいと得られる効果

「壁ドン」は、体がよみがえる、ひざ裏のばしのすべての基本となるポーズです。

ひざ裏をのばし、背中の筋肉や体幹を鍛え、内臓の血行をよくします。壁を押すことよりも、体をのばすことを意識して行ってください。

【「壁ドン」が刺激するポイント】体感・股関節・背中・ひざ裏

ねらいは、ひざ痛腰痛ぽっこりおなかの改善免疫力のアップです。

【写真で解説】「壁ドン」をやってみよう

それでは、「壁ドン」のポーズを行う方法を解説していきます。

【ひざ裏のばし1】背筋を伸ばし、両足を揃えて壁の前に立つ。
【ひざ裏のばし2】足を前後に開き、前足を曲げる。後ろ足のひざ裏をのばして壁に両手をつき、大きく息を吸う。ポイント:手は肩と同じ高さで、肩幅に開く。まっすぐ前を見る。後ろ足のひざ裏ののびを意識し、かかとは床につける。

ひざが腫れたり、痛んだりする場合は無理せず中止してくださいね。

【ひざ裏のばし3】息を少しずつ吐きながら、壁を5回押す。息を吐くときはおなかに力を入れる、腰を入れる。後ろ足のひざ裏ののびを意識し、かかとは床につける。

ここに注意

【ひざ裏のばし_注意ポイント】ひざ裏を伸ばし、かかとで床を押すようにする。

3のとき、ひざ裏をのばし、かかとで床を押すのがポイントです。

【ひざ裏のばし4】息を止めて、両手を伸ばして壁を押す。5秒間キープする。おなかに力を入れ、背筋は伸ばし、腰を入れる。後ろ足のひざ裏の伸びを生きしし、かかとは床から浮かないようにする。

3~4を2回くり返してください。終わったら、反対側も同じく1~4をくり返します。

NGポーズ

【ひざ裏のばし_NGポーズ】背筋が曲がる、肘がまがる、後ろのひざが曲がる、かかとが浮く。

  • 背すじが曲がる

  • ひじが曲がる

  • 後ろのひざが曲がる

  • かかとが浮く

川村先生のワンポイント・アドバイス

ひざ裏のばしで大切なことは、1日1ポーズ、たった5秒でもいいので毎日続けること

毎日続けることで筋力や柔軟性が養われます。ただし、ひざや腰、股関節が痛んだり、体調が悪いときは無理をしないでください。

第2回は、ひざ痛さん・腰痛さん向けのケアとして、「両手アオサギ」のポーズをご紹介します。お楽しみに!

著者/川村明
素材提供/世界文化社

※本記事は『奇跡のひざ裏のばし』(世界文化社)の内容より一部を抜粋、再編集して掲載しています

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