「奇跡のひざ裏のばし」連載5回目は、お一人で歩いてトイレに行かれない方、または要介護度4もしくは5の方に向けたポーズをご紹介します。目的はズバリ「歩くための筋肉を鍛える」こと。体の動く範囲に合わせて、無理なく行ってくださいね。
寝たきりさんの体の状態
「寝たきりさん」の体は次のような状態になっています。
まずは介助者の方と一緒に、ベッドの上でできる、このポーズをやってみましょう。
介助なしにできるストレッチがあれば、ひとつでもやるという気持ちが大切です。
少しずつ、できることを増やしていきましょう!
「アオサギ(あおむけ)」のねらいと効果
「アオサギ(あおむけ)」は、足裏アーチと内転筋に力を入れ、歩く練習につなげるポーズです。
ひざ裏をのばして体幹を鍛えることで、足裏のアーチと内ももに力が入るポーズです。歩くための筋肉を鍛えることができます。
ねらいは歩くためのトレーニング、腰痛改善、尖足予防です。
【写真で解説】「アオサギ(あおむけ)」をやってみよう
それでは、「アオサギ(あおむけ)」のポーズを行う方法を解説していきます。
タオルの長さが90cm以上あると自分で引っぱりやすいですよ。
ひざや腰が腫れたり、痛んだりするときは無理せず中止してください。
【体を起こせる人向け】アオサギ(座位)をご紹介
ステップアップ編として、体を起こせる人は「アオサギ(座位)」をやってみましょう。やり方は次の通りです。
リクライニングベッドを起こしたり、背中にクッションをはさんでもOKです。
川村先生のワンポイント・アドバイス
最も大事なことは、継続すること。私の運動処方を信じて、継続していただくと、心も体も元気になります。実際に「運動プログラム」を受けられ、次にクリニックへいらしたときには見違えるように元気を取り戻している患者様が、数多くいらっしゃいます。このプログラムをお勧めしてよかったなあ、と思える瞬間です。
最初は、こんな簡単な運動でよくなるのかと、みなさんに言われます。しかし、継続してくださった方々には、よい結果が出ているのです。
「運動? 続ける? 難しい!」とおっしゃる方こそ、この本を参考にされて、ご家族や介護スタッフの方と一緒に楽しみながら、ひざ裏をのばして元気になってください。
おひとりおひとりの運動継続が、日本の寝たきりをゼロに導く唯一無二の方法です。
連載は今回が最終回となります。書籍『奇跡のひざ裏のばし』には、本連載ではご紹介しきれなかった効果的なポーズを30種類掲載しています。ぜひお買い求めください!
第4回「椅子ひざ裏のばし」はこちらからお読みいただけます。
著者/川村明
素材提供/世界文化社
※本記事は『奇跡のひざ裏のばし』(世界文化社)の内容より一部を抜粋、再編集して掲載しています