第35回の介護福祉士の筆記試験は2023年1月29日(日)に行われます。この記事では、試験の日までに確認すべき試験会場の場所や試験会場でのすごし方、注意点などについて、先輩合格者の体験談なども踏まえて解説します。
介護福祉士の試験会場はどこ?
介護福祉士試験は筆記試験と実技試験があります。ここでは、以下の項目について試験センターの公式情報をもとに解説します。
筆記試験は全国35の都道府県で開催
第35回の介護福祉士の筆記試験は全国35の都道府県で行われます。
【第35回の試験地】
北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、福島県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、石川県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県
介護福祉士の筆記試験は、全ての都道府県で開催されているわけではなく、以下の12の県では会場が設置されません。
【開催されない12県】
山形県、栃木県、茨城県、富山県、福井県、山梨県、滋賀県、奈良県、三重県、山口県、徳島県、佐賀県
該当の県に住む人が試験を受ける場合は、近くの都道府県の会場になります。
自分の試験会場の場所は「受験票」で確認する
自分の試験会場の場所は、受験票に記載されています。
試験会場の場所は試験センターのオフィシャルサイトなどでは公開されていません。そのため、インターネット検索では調べられませんので注意が必要です。

受験票のハガキは毎年12月10日前後に試験センターから発送されます。「手元に来た覚えがない」という方は、試験センターの国家試験情報専用電話案内まで電話しましょう。
公益財団法人社会福祉振興・試験センター 国家試験情報専用電話案内
03-3486-7559
https://www.sssc.or.jp/about/access.html
試験会場は例年同じなのか
介護福祉士の試験会場は例年、市や県の公共施設や高校、大学などで開催されることが多いようです。
注意しなければいけないのは、試験会場は毎年変わる可能性があることです。例年同じ施設が試験会場に指定されている都道府県もありますが、そこが今回の試験でも同じ会場になるという保証はありません。
【よく試験会場になる施設の例】
北海道 | 札幌ドーム | 京都府 | 同志社大学 |
---|---|---|---|
青森県 | 東奥学園高等学校、青森産業会館 | 大阪府 | インテックス大阪、東大阪大学、ATCホール |
岩手県 | 岩手産業文化センターアピオ | 兵庫県 | 神戸国際展示場 |
秋田県 | 国学館高等学校 | 鳥取県 | ヤマタスポーツパーク |
宮城県 | 夢メッセみやぎ | 島根県 | くにびきメッセ |
福島県 | とうほうみんなの文化センター、ビッグパレットふくしま | 岡山県 | コンベックス岡山 |
群馬県 | 上武大学伊勢崎キャンパス | 広島県 | 広島サンプラザ |
東京都 | 明治学院大学、東京ビッグサイト、立正大学 | 香川県 | サンメッセ香川 |
神奈川県 | パシフィコ横浜 | 愛媛県 | アイテムえひめ |
千葉県 | 幕張メッセ、千葉商科大学 | 福岡県 | ペイペイドーム |
埼玉県 | 淑徳大学 | 長崎県 | 長崎県立総合体育館 |
新潟県 | 朱鷺メッセ | 大分県 | ビーコンプラザ |
石川県 | 石川県産業展示館 | 宮崎県 | シーガイアコンベンションセンター |
愛知県 | ナゴヤドーム | 熊本県 | グランメッセ熊本 |
岐阜県 | 岐阜メモリアルセンター | 沖縄県 | 興南高等学校 |
静岡県 | ツインメッセ静岡 |
※We介護編集部調べ
試験会場がわかるのは受験票が届いてからです。試験会場は必ず自分自身の受験票を確認してください。
実技試験の試験地は全国2ヵ所
介護福祉士の実技試験の試験地は全国で2ヵ所です。
東京都、大阪府
実技試験は多くの方が免除されているため、試験会場も大都市に2ヵ所設けられているのみです。該当する方はご注意ください。具体的な会場は筆記試験の合格後に交付される実技試験受験票で確認できます。
申し込み後は試験会場の変更はできない
介護福祉士試験の申し込み後、予期せぬ引っ越しなどがあり、試験会場を変更したいと思う方もいるかもしれません。
申し込み後の試験会場の変更は、一切できません。試験地を選べるのは受験申し込みのときだけです。申し込みのときには後々変更ができないことを考えたうえで受験地の選択をしましょう。
介護福祉士試験会場で困らないための事前準備
ここからは、介護福祉士の試験当日に困らないための準備として、次の3つを解説します。
受験者の方は、お手元に「第35回介護福祉士国家試験『受験の手引』」や受験票を用意していただき、合わせて確認してください。
試験会場への道順・交通アクセス・所要時間を調べる
介護福祉士の試験会場への行き方は入念に確認する必要があります。地図アプリなどで会場への道順を確認することに加え、電車やバスの到着時刻や所要時間も調べておきましょう。
試験会場へは公共交通機関以外は使用できません。
家族や知り合いによる車での送り迎えやタクシーの利用も禁止されています。
試験会場及びその周辺には駐車・駐輪できません。また、試験会場近隣店舗等の無料駐車場への駐車・駐輪は、営業妨害となります。
必ず公共交通機関を利用してください。自家用車及びタクシー等での送迎も禁止します。送迎等による路上駐車、渋滞等は、周辺住民の迷惑となります。
出典:「第35回介護福祉士国家試験『受験の手引』」P56
試験会場近くで前泊する場合の注意点
自宅から試験会場までが遠い場合など、会場の近くのホテルに前泊する人もいるでしょう。
前泊する人は、(1)自宅からホテルまで、(2)ホテルから試験会場まで、それぞれ公共交通機関でアクセスできるか確認が必要です。
試験会場には車では行けませんので、ホテルに車で行ってしまうと試験当日、車の置き場所がなく、困ってしまいます。試験会場に公共交通機関で行けないホテルを予約している場合には、泊まるホテルを変更することも検討しましょう。
試験会場に持っていくもの
試験会場への持ち物は「受験の手引」P55に記載されています。

受験票
受験票は(1)本人確認、(2)介護福祉士試験を受験できる、という2つのことを証明するための重要な書類です。
試験会場では、受験者の座席は受験番号で割り振られています。受験票に記載されている受験番号がわからないと、自分の座席もわかりませんので受験票は必ず持っていきましょう。
筆記用具
筆記用具で必ず持っていったほうがよいものは、以下の通りです。
- HBの鉛筆
- シャープペンシル
- プラスチック消しゴム
筆記用具はそれぞれ、破損などのトラブル防止のため、試験会場には多めに持っていくほうがよいでしょう。
鉛筆を持っていく人は鉛筆削りの用意もしておいた方が安心です。

私は筆記用具を、鉛筆2本、シャーペン2本、消しゴム2個と、念のため多めに持っていきました。鉛筆や消しゴムが折れたり落としたりしても慌てることなく試験を受けることができました。
マスク
試験会場では感染症対策のため、マスク着用が必須になっています。
「汚れて使えなくなった」「ひもが切れてしまった」など不測の事態が起きても大丈夫なように、2枚以上持っていくとよいでしょう。
腕時計
腕時計も必ず持っていきましょう。なぜなら、試験会場には時計がない場合があるからです。
最近では、携帯電話の普及により腕時計をする習慣のない人もいるため、うっかり忘れてしまう可能性があります。
また、試験会場にはスマートウォッチは机の上に出しておけません。
スマートウォッチとは、時計以外の機能が充実している腕時計のことです。例えばアップルウォッチやグーグルピクセルウォッチなどがあります。
持ち込めるのは時計機能のみのアナログ式腕時計、デジタル式の腕時計、フタがついていない懐中時計です。

普段はしない腕時計を、受験票に書いてあったので一応持っていきました。でも会場に時計がなかったので本当に助かりました。持っていってよかったです。
上履き・靴袋
試験会場が高校である場合など上履きが必要な場合があります。その際は、はいてきた靴をしまう靴袋(ビニール袋など)も用意しましょう。
上履きが必要かどうかは受験票に記載されています。自身の受験票をご確認ください。
防寒着(ひざ掛けなど)
試験会場は寒いことがあるため、試験会場内でも温かい格好をしましょう。
最近は感染症対策で窓が開いていることがあります。寒がりではなくても、カーディガンなど羽織れるものやひざ掛けなどの用意があったほうが安心です。

大きめのひざ掛けはカンニングが疑われるかな?と心配になり、試験前に試験官に確認しました。カンニングできるものがないかチェックはされましたが、使用してよいとのことでした。
これだけは忘れられない3つの持ち物
合格者からお話をうかがった際、皆さんが必要とおっしゃっていたこれだけは忘れられない3つの持ち物を紹介します。

必要な持ち物は他にもありますが、これさえあればとりあえず受験することが可能です。持ち物を準備する際は、最初にカバンに入れておくとよいでしょう。
試験中に使用できないもの
試験会場では身体に身に着けられないものや、試験中に机の上に置いておけないものがあります。
これらは持っていかないか、カバンにしまっておきましょう。
携帯電話やスマートウォッチは音が出ない設定にして、電源を切っておくことも忘れてはなりません。
一方で、机の上に出しておける持ち物もあります。例えば、鉛筆が折れたときに使用する鉛筆削りは出しておけます。咳エチケットの観点から、ハンカチ・ティッシュ・ウェットティッシュも机の上に出しておけます。
試験会場の気温は?防寒着は必要?
試験会場は寒いと感じる受験者が多いようです。暖房がついていても、座席は自分で選ぶことができないので、「出入り口付近の席になったが、隙間風があって寒かった」「感染症対策で窓が開いていて寒かった」という受験者もいます。
暑くても寒くても大丈夫なように、カーディガンやひざ掛けなど着脱しやすく、調整できるものがあると便利です。


試験会場自体は暖かかったですが、自分の座席の位置は隙間風が強く、寒かったです。そのせいでトイレに行きたくなり、試験に集中できなくて大変でした。寒さに強い人も、念のため防寒着は持っていったほうがいいです。
当日の介護福祉士試験会場での注意点
介護福祉士国家試験当日は、遅刻をしたり、昼食が調達できなかったりと思わぬトラブルが起きることがあります。
「不意のトラブルがあったせいで試験に集中できなかった!」という事態にならないように、事前に以下のことを確認しておきましょう。

以上の4点について、それぞれ詳しく説明します。
試験会場には30分~1時間早くつく
試験会場には早めに到着できるように自宅の出発時間を調整しましょう。
到着が試験の開始時間ギリギリであると以下のようなリスクが起こる恐れがあります。
試験会場には試験開始時刻の30分から1時間ほど早く着くように調整するのがベストです。早く着きすぎると、時間が余りすぎて不安に感じるかもしれません。でも試験開始までにゆっくりトイレに行くことができたり気持ちの整理を十分にできたりして、落ち着いて試験を受けられるというメリットがあります。
試験会場へは8時30分から入室することができます。具体的な試験のスケジュールは以下のとおりです。


私は心配性なので、満員で乗れないなどのリスクを考え、試験時間よりも1時間以上早くつきました。でも、最後の復習がゆっくりできたので落ち着いて試験を受けられました。
昼食は試験会場に着く前に購入しておく
試験会場での昼食は事前に購入しておきましょう。
「地図アプリで確認したら会場近くにコンビにがあるからそこでいい」と思われる方もいるかもしれません。
でも、できれば自宅から試験会場の最寄り駅までの間で購入しておくことをお勧めします。
試験当日、試験会場近くのお店には受験者が殺到して購入できない、食べたいものが買えないといったリスクがあるからです。

昼食は自宅近くのコンビニで買いました。試験会場は売店がなかったのでそうしておいてよかったです。途中で食べるのを止められるよう封ができるものにするとよいですよ。

食事の量はいつも8割程度と少なめにすることをおすすめします。食べすぎると眠くなってしまい、午後の試験に支障が出る恐れがあるからです。
試験会場のトイレは到着後すぐに確認する
トイレの場所は試験会場に到着してからすぐに確認しておきましょう。
会場によっては遠いところにあったり、個室や小便器の数が少なくて長蛇の列ができたりするリスクがあります。

私の試験のときは女性用トイレは大変混雑していました。女性は最寄り駅で済ませてくるなど、なるべく試験会場のトイレによらなくてもすむ工夫をするとよいですよ。
試験会場ではリラックスできる方法をとる
試験会場での試験前やお昼など試験時間以外の時間は、リラックスできるようすごしましょう。落ち着いて試験を受けることができます。
リラックスできるすごし方は人それぞれです。例えば以下のような方法が考えられます。
どれが一番良いかは人それぞれです。あなたが気持ちを落ち着かせ、集中できる方法を選択しましょう。
もし直前まで勉強するのであれば、無料で過去問を解けるアプリやWebサイトなどの活用がおすすめです。スマホで手軽に解けるのでかさばらずスマートに復習することが可能です。

試験会場へは使い慣れた参考書を何冊かお守り代わりに持って行きました。当日はパラパラめくる程度で、本格的に勉強はしていません。でも、いつも使っていた参考書が手元にあることで、落ち着いて試験を受けることができました。
まとめ
介護福祉士の試験会場に関する不安は解消できたでしょうか?
この記事では、介護福祉士の試験会場にかかわる情報について、以下のポイントをお伝えしました。
試験会場の情報を把握し、事前準備をしっかりしていれば、当日試験以外の余計な心配が減り、試験に集中できます。この記事の内容をしっかりと抑えたうえで試験にのぞんでみてください。
第35回介護福祉士国家試験の試験日は2023年1月29日(日)。そして合格発表は2023年3月24日(金)14:00からの予定です。

持ち物は前日までに準備して、睡眠を十分にとって万全の体制で受験してください。

おなかを壊したりしないように、いつもと同じ朝食を取ってから出発するとよいですよ。

ここまで頑張ってきた皆さんなら大丈夫です。自分を信じて!
監修者/馬淵敦士
(参考)
『介護福祉士国家試験 試験概要』(公益財団法人社会福祉振興・試験センター)
『第35回介護福祉士国家試験『受験の手引』』(公益財団法人社会福祉振興・試験センター)