転職活動をするうえで必要となる履歴書。介護職に応募する際の履歴書の書き方を、例文付きで解説していきます。
履歴書の見本を確認しよう


履歴書を書く前に、下記を準備しましょう。
履歴書はコンビニやスーパーなどで購入できます。また、こちらからダウンロードして印刷することも可能です。印刷する場合、用紙サイズは見開きでA3・B4サイズになるよう印刷します。
介護業界では手書きで履歴書を提出される方が多いですが、手書きで書いても、PCで書いてもOKです。もし介護施設側から指定があった場合には、それに従いましょう。
手書きの場合、黒いボールペンを使用します。誤字・脱字があった場合でも、修正液を使うのはNGです。用紙を変えて書き直しましょう。誤字・脱字が心配な方は、事前にえんぴつで書きたい内容を薄く下書きしておくと安心です。
プロフィール項目の書き方
プロフィール項目では、この2つのポイントを抑えておけば大丈夫です。
それでは各項目ごとに見ていきましょう。
①日付
面接で提出する場合、面接日の日付を書きます。もし郵送する場合には、ポストに投函する日の日付にしましょう。
②氏名・印鑑
姓と名の間に1文字分あけて、名前を読みやすくしましょう。結婚されている女性の場合、旧姓ではなく結婚後の姓(戸籍名)を書くように注意してください。
また、履歴書用紙によっては印鑑を捺印する欄がある場合もあります。その場合は、認印を捺印しましょう。
③生年月日・年齢
①で記入した日付時点の年齢を書きます。西暦でも和暦でもかまいませんが、履歴書全体でどちらかに統一する必要があります。
④性別
自分の性別に該当するものに丸をつけます。
⑤現住所・連絡先
現住所は、都道府県と郵便番号も省略せずに書きましょう。連絡先は、一般的には「同上」とだけ記入します。ただ、諸事情があって現住所でないところに住んでおり、希望就職先とのやりとりをその住所から行う場合には、その住所を書きましょう。
(例:転職活動のために親戚の家に住んでいる場合)
⑥電話番号
電話番号は、基本は携帯電話・スマートフォンですが、固定電話の番号でもOKです。連絡が来たときにすぐに対応しやすいものを選びましょう。
履歴書にメールアドレスを記入する欄がある場合は、PC用でも携帯電話・スマートフォン用のアドレスでも良いので、日常的に確認しやすいものにすると良いでしょう。今の勤め先から付与されたアドレスは、本来の使用目的とは異なるのでNGです。
⑦証明写真
下記の3点に気をつけましょう。
スーツが理想的ですが、オフィスカジュアルであれば問題ありません。
(例:襟付きのシャツ+ジャケット)
書き間違えなどで用紙を変える可能性もあるので、写真は履歴書を書き終えてから貼るようにしましょう。
学歴・職歴の書き方

西暦と和暦はどちらでもかまいませんが、プロフィール欄の生年月日に書いたときの書き方と統一しましょう。
学歴の書き方
学歴を書くときには下記の2点に注意しましょう。
学歴は高校または専門学校から記入します。高校は高等学校と書きましょう。私立・私立・市立・県立なども省略しないように気をつけてください。
職歴の書き方
職歴を書くときは、下記2点に気をつけましょう。
職歴も、株式会社、医療法人、社会福祉法人などは略さないようにしましょう。(株)などはNGです。特養や老健なども「特別養護老人ホーム」「介護老人保健施設」といったように正式名称で記入します。
【省略してしまうことの多い施設種類】
- 特養→特別養護老人ホーム
- 老健→介護老人保健施設
- デイ→デイサービス
- 有老→有料老人ホーム
- 養老→養護老人ホーム
- サ高住→サービス付き高齢者向け住宅
会社名の横には、業種と従業員数、簡単な業務を書きます。一行に収まらなければ、きりのいいところで改行してもかまいません。
(例:社会福祉法人 特別養護老人ホーム△△(✕✕人) 介護職員として介護業務全般に従事)
また、ブランクがある方の場合は、「一身上の都合により退社」とし、端的に理由も添えるようにしましょう。病気のため療養していた方は、現在は完治していることも伝えましょう。
(例:一身上の都合により退社 1年間ほど病気のため療養。現在は完治しています)
(例:一身上の都合により退社 結婚と同時に退職。専業主婦として子育てに専念)
免許・資格

資格は正式名称で書くように注意しましょう。特に介護資格は略称で呼ばれることが多いですが、「ホームヘルパー2級」などは略称なので注意が必要です。
【介護の資格一覧】
- 介護職員初任者研修(ホームヘルパー2級・訪問介護員 ✕)
- 介護職員実務者研修(ホームヘルパー1級 ✕)
- 介護支援専門員(ケアマネジャー ✕)
- 介護福祉士
- 生活相談員
- レクリエーション介護士2級
- 介護予防運動指導員
- 福祉用具専門相談員
- 喀痰吸引等研修
- サービス提供責任者
- 社会福祉士
志望動機の書き方

JIS規格と呼ばれる、コンビニなどで売られている最も一般的な履歴書では、志望動機と自己PR(アピールポイント)が一つの枠にまとまっていることが多いようです。この場合、志望動機をベースに書くと良いでしょう。
履歴書と職務経歴書を提出する場合には、それぞれ履歴書で志望動機、職務経歴書で自己PRをといったように意識して書き分けるようにしましょう。
志望動機では、下記3点をしっかりと書きます。
その法人で働きたい理由としては、「企業理念に共感しました」などが書きやすい志望動機と言えるでしょう。
(例:『利用者さんに寄り添う』という企業理念に共感しました)
企業理念は、社訓、教訓、社是となっているところもあります。企業のHPなどをチェックしてみましょう。
また、志望する施設の事業形態を選んだ理由も添えると良いでしょう。
(例:通所介護で働いていた経験を活かしたかったので、デイサービスを選びました)
(例:在宅復帰の目的を利用者と共有したいため、介護老人保健施設で働きたいです)
もし、新しい職場でスキルアップしたいことや挑戦したいことがあれば、それを書くとより印象が良くなります。
(例:グループホームで働くことで認知症の方への理解を深めたいです)
※志望動機の例文集はこちら→『【例文11選】介護職の志望動機(履歴書・面接) | 特養・老健など施設別、職種別に紹介』
介護業界の経験者の強み
介護業界の経験者は、前職で得た経験やスキルを強みとしてアピールしましょう。一般的に3ヵ月ほど働いた経験者であれば、正社員・パート・アルバイト・派遣などの雇用形態は気にしなくてもOKです。

志望動機に書かない方がいいのは、お給料・距離・お休みの3つです。前の会社よりお給料が高い、自宅からの距離が近い、お休みが多いといった条件面を志望理由にしてしまうと、採用担当者に伝える志望動機としては弱く、あまり印象が良くありません。
介護業界の未経験者の強み
未経験の方は、前職での経験で、コミュニケーション能力など介護業界につながるスキルが身についていればしっかりアピールしましょう。
(例:飲食店で勤務していたため、コミュニケーション能力や笑顔、言葉遣いの丁寧さに自信があります)
また、未経験の場合、介護業界を希望する理由として「将来的に安定している」「人の役に立てる」など、業界の魅力を伝えても好印象です。ただし、「介護業界が転職しやすい」など、消去法で志望したことが伝わる志望動機はNGなので気をつけましょう。
志望動機の書き方をもっと知りたい方は【介護職】受かる志望動機の書き方|例文11選の記事で詳しく解説しています。
施設の敬称に注意しよう
志望動機を書くとき、施設を指す場合には敬称を使いましょう。
自己PRの書き方

使用する履歴書用紙に自己PR欄がある場合には空欄にせずしっかり埋めましょう。
※自己PRの例文集を見たい方はこちら→『介護職の自己PRの例文&ポイント | 受かる自己PRがすぐ書ける!』
介護業界の経験者
介護業界経験者は下記のポイントをしっかりアピールすることが大切です。
介護業界で働いたことがある方は、経験した業務を書くことで即戦力であることをアピールできます。
また、やりがいに感じていたことや大切にしている介護観などがある方は、それを書くことで仕事への前向きさをアピールすることができます。
(例:認知症の方への支援にやりがいを感じており、利用者様に寄り添う姿勢を大切にしています)
最後に、上記で書いた経験を活かして働きたいことを添えると、より志望度が伝わる自己PRになります。
介護業界の未経験者
介護業界で働いたことがない方は、下記の3点をアピールしましょう。
もし前職がコミュニケーション能力や社交性をアピールできるものであれば、自己PRとして書くと良いでしょう。
また、「お年寄りと会話するのが好き」「世話好き」など、介護業界で働くことにつながる人柄を書くのもOKです。

在宅介護を経験している方は、その経験を活かして働きたいことを伝えると採用につながりやすくなります。
その他の項目

①通勤時間
片道分の通勤時間を書きます。自宅の玄関から出て、会社に入るまでのドアtoドアの時間を記入します。記入する数字は、5分単位で書きましょう。
(例:13分→15分、28分→30分)
②扶養家族(配偶者を除く)
配偶者(妻や夫)以外に扶養家族がいる場合は人数を書きましょう。「配偶者は除く」といった旨が記載されているため、配偶者は扶養家族には数えません。
③配偶者
結婚していれば「有」、結婚していなければ「無」を丸で囲みましょう。
④配偶者の扶養義務
配偶者を扶養している方は「有」、扶養していなければ「無」を丸で囲みます。
⑤本人希望記入欄
募集要項に書かれている内容の範囲内で、希望する職場や労働時間を書きます。もし特に要望がない方は、「貴社の規定に従います」でOKです。
趣味・特技
もし履歴書に趣味・特技を記入する欄があった場合には、社交性や体力、PCスキルなどをアピールできると良いでしょう。例えば、チームで行うスポーツや、前職で得たWord・Excelのスキルなどです。
パチンコや競馬など、ギャンブルにまつわる趣味は、採用担当者にとって良い印象にはならないので書かないようにします。
また、募集要項にそぐわない趣味などは書かないことをおすすめします。具体的には、週末にシフトが入る可能性があるのに「毎週末に〇〇に行くのが好きです」などと書くと、採用担当者が「シフトに影響が出ないか」と不安になるので、他の趣味を書きましょう。
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