介護職に挑戦したいけど、未経験の場合って志望動機をどう書けばいいの? ぴったりの例文が見つからない……。そんなあなたのために、パターン別の志望動機の例文をご紹介します。

介護職未経験のかた向けの志望動機の例文をすぐに見たい方はこちら

誰でも真似できる!介護職未経験のかた向け志望動機

まず、年齢や前職を問わずどんな方でも共通して書ける、介護職未経験のかた向けのスタンダードな例文をみてみましょう。

①私は貴施設で、一人ひとりのご利用者様に向き合った介護がしたいと考えております。 ②前職ではデータ管理の仕事をしており、日々パソコンと向き合って仕事をしていくなかで「誰かの役に立てていると実感できる仕事がしたい」と思うようになりました。  ③そんなとき、貴施設の「一人ひとりに最期まで寄り添う」という理念に共感しました。利用者様の視点で物事を考え、ニーズに対応できる介護職になれるよう努めていきたいです。

志望動機は上記の例文を参考に、以下の①〜③の構成で作成しましょう。

  1. 応募先の施設を選んだ理由
  2. 介護職になりたい理由
  3. 将来的にどう成長していきたいか

未経験者の場合、「この施設で、介護職として長く働いてくれる人材かどうか」をよりシビアにみています。

未経験者は、経験者より一人前になるまでの教育コストがかかります。採用担当者はせっかくコストをかけて育てた人材が、すぐに施設を辞めてしまうことを心配しているからです。

よって志望動機では上記の①〜③をしっかりと採用担当者に伝えて、「介護職として成長し、この施設で長く働きたい」という本気度をアピールしましょう。

①応募先の施設を選んだ理由

応募先の施設を選んだ理由としては、応募先企業の「理念」「独自の研修制度」「コンセプト(大切にしていること)」に共感していることなどを挙げると良いでしょう。

  • 貴施設の「一人ひとりに最期まで寄り添う」という企業理念に共感しました
  • 研修制度に力を入れており、貴施設なら未経験からでも介護職として成長していけると感じました

②介護職になりたい理由

介護職を志望するに至るきっかけとなったエピソードを盛り込むと、より説得力が増します。

  • 前職では一人で黙々とデスクワークをしていることが多く、人と触れ合い感謝される仕事がやりたいと考えるようになりました
  • 高齢の母に介護が必要になったら、親孝行ができるように介護の知識や技術を身につけておきたいと考えております

③将来的にどう成長していきたいか

介護職として働くことに意欲的な文言を添えると、一人前に成長することへの積極性を伝えることができます。

  • 利用者さんの視点から物事を考え、心から寄り添えるような介護職になりたいです
  • いち早く介護職としての基本スキルを身につけ、貴施設で活躍していきたいです
キャリアアドバイザー
キャリアアドバイザー

志望動機を書くときは、「ほかにやりたい仕事がなかったから」「未経験でも転職できるから」など、ネガティブな印象にならないように気をつけましょう。

介護職として施設で活躍していきたいという熱意を、しっかりと採用担当者にアピールすることが採用につながるポイントです。

【年代別】志望動機の例文集

ここからは、年代別の志望動機を紹介していきます。

未経験・年代別 5つの志望動機をチェック!

20代の志望動機

体力があり、新しい環境にも適応しやすい20代は歓迎されやすい傾向があります。

20代の未経験者が施設側に求められていることは、さまざまな利用者さんがいる介護現場で臨機応変に対応できる柔軟性と、独り立ちすることへの積極性です。

志望動機では、一人前になること、自立することへの意欲をアピールしましょう。

新卒の場合

研修制度の充実している貴施設で、積極的に介護技術を磨いていきたいと考え志望しました。

私は大学の地域交流の授業を通して、地域を支える高齢者の方々を自分が支えたいと思うようになりました。

貴施設では、新卒を積極的に採用しており研修も充実しているため、同期と切磋琢磨しながらスキルを磨いていけると考えています。入職できることになりましたら、貴施設で経験を積み、1日でも早く自立して働けるように頑張ります。

中途採用の場合

資格取得を支援している貴施設で、介護のプロとして成長し活躍したいです。

認知症の祖父が亡くなったことをきっかけに、介護の知識やスキルを身につけたいと思うようになりました。

貴施設は資格取得の支援を積極的に行っており、研修制度も充実しているので、スキルアップをしながら経験を積める環境だと考えております。早く一人前の介護職として働けるようになり、貴施設でたくさんの利用者さんを笑顔にできるよう貢献していきたいです。

30代、40代の志望動機

30代、40代の志望動機では、なぜ「たくさんある仕事の中でも介護職なのか」という理由を、ポジティブにしっかり伝えることが大切です。

30代の場合

貴施設で介護職として高いスキルを身につけたいです。

コロナを通じて景気に左右されない仕事をしたいと考えるようになり、介護職なら専門スキルを身につけられるうえに、業界に将来性があると感じたことから志望しました。

そのなかでも貴施設は病院と併設されており、多職種で連携しながら介護を行っていると知り、努力すればスキルアップできる環境だと思っております。ぜひ貴施設で、幅広い知識を習得しながら活躍していきたいです。

40代の場合

貴施設の理念である「ご利用者様の視点に寄り添う介護」を行っていきたいです。

現職ではお客様と直接かかわる機会が少なく、お客様に貢献できていることを実感しづらかったため、仕事のやりがいとして物足りなさを感じていました。そのため、ご利用者様が何を必要とされているのかを考え、困りごとに対して直接アプローチすることができる介護の仕事に魅力を感じています。

ご縁があり採用していただけたら、主体的に動きながら介護職として一人前になれるように努力してまいります。

50代以上の志望動機

50代以上になると、定年退職するまでの期間が若い世代より短くなるため、採用担当者は「この職場で長く働いてくれる意欲があるか」をよりシビアに判断します。

なぜ介護職として働きたいのか、という理由を踏まえたうえで、数ある施設でもなぜその施設を志望したのかという理由を重点的に伝えましょう。

50代の場合

ご利用者様の自立支援を大切にしている貴施設への入職を志望いたします。

介護職への転職を志したのは、65歳以上になっても活躍できる職に就きたいと考えたためです。また、父が介護老人保健施設に入所していた際、職員のみなさまの熱心なケアやサポートにより、父の希望通り自宅復帰を果たすことができました。この経験から自立支援について学び、父のような方をご支援する側になりたいと考えました。

自立支援に重きを置いている貴施設で、スキルを磨きながらいち早く活躍できる人材を目指したいと考えております。

キャリアアドバイザー
キャリアアドバイザーから一言

40代後半から50代の中には、親や親族の介護が始まりそう、もしくは携わった経験がある方も多いかと思います。当てはまる方は、そのことがきっかけとなり介護の知識や技術を学びたいと思うようになったということを志望動機に織り交ぜるとよいでしょう。

【職種別】志望動機の例文集

未経験・職種別 6つの志望動機をチェック!

前職までに習得してきたスキルで、介護職でも活かせそうなものがあったらアピールするのも効果的です。ここでは、前職の経験・スキルをアピールしたいかた向けの志望動機の例文をご紹介します。

接客系から転職する場合の志望動機

飲食店、小売店、ホテル業界など、サービス業で仕事をされてきた方は、下記のようなスキルをアピールすることで採用につながりやすくなります。

  1. コミュニケーションスキル(綺麗な言葉遣いができる、傾聴力がある)
  2. 気遣い(相手の気持ちに配慮した対応ができる)

レクリエーションに力を入れている貴施設で、ご利用者様に楽しんでもらえるようにコミュニケーションを取りながら働きたいと考え志望しました。

私はこれまで飲食店で働いており、お客様に喜んでいただけるよう、楽しい会話をすることを大切に仕事に取り組んできました。介護は介護技術など覚えることも多くて大変だと思いますが、もっとコミュニケーションに重きを置いて仕事ができると考えています。

ぜひ貴施設で、高齢者の方々を笑顔にできる介護職として活躍するために成長していきたいです。

営業系から転職する場合の志望動機

営業職をされていた方も、コミュニケーションスキルを始め下記のようなスキルが歓迎されるため、志望動機に盛り込むと良いでしょう。

  1. コミュニケーションスキル(傾聴力がある、わかりやすく説明することができる)
  2. 積極性がある(自主的に動くことができる、他者に積極的に話しかけることができる)
  3. 体力がある(移動が多く体力は自信がある)

「お客様の自分らしい生活を実現する」という貴施設の理念に共感しました。

私はこれまで営業職として働いてきましたが、お客様とその場限りのお付き合いになることも多い一方、介護職であれば長期に渡って寄り添えることに魅力に感じています。また、前職ではお客様のニーズを汲み取り、お客様に適したサービスを提供する営業を行ってきました。

この経験を活かして利用者さんの声に耳を傾け、ゆくゆくは利用者さんが自分らしい生活を送れるような介護スキルを身につけていきたいです。

事務職系から転職する場合の志望動機

事務職系の経験がある方は、正確な仕事ができることなどをアピールしましょう。

  1. 仕事を正確に行うことができる
  2. PCが使える

「優しさと思いやり」を大切にしている貴施設で働きたいと考え、志望いたしました。

これまで私は営業事務として、営業の方々のサポートに徹してきました。正確な仕事を求められてきたので、ミスがないかの確認、上司への報連相などを徹底してきた経験は、介護でも活かせるのではないかと考えております。また、先回りして必要なデータを用意するなど、周囲へのきめ細やかな気配りを大切にしてきました。

利用者さんに対しても、貴施設が大切にしている「優しさと思いやり」の精神で、積極的に必要なサポートを行えるように技術を身につけていきたいです。

その他の職種から転職する場合の志望動機

上記に該当しない職種のなかで、介護職を志望する方が多い職種をいくつか抜粋し、志望動機の例文を紹介していきます。

  • 建設作業員
  • 倉庫内作業員
  • トラック運転手

建設作業員

建設作業員など、力仕事をされている方は、体力があることをアピールしましょう。

  1. 体力や筋力がある
  2. 正確な作業を行うことができる
  3. 安全第一を意識して仕事をする責任感がある

職員の育成に力を入れている貴社で、介護職として成長し、キャリアアップしていきたいです。

これまで土木工事の現場で働いてきましたが、人から直接的に感謝をされる仕事がしたいと考え、介護職を希望しております。安全第一を意識して作業を行うことには自信があり、現職で培ってきた体力を活かして、これからはご利用者様に安心・安全な介護を提供していきたいです。

介護は未経験ですが、研修制度が充実している貴社でなら、現場で活躍できる人材に成長していけると思っております。入社させていただけましたら、一日でも早く即戦力になれるように努めてまいります。

倉庫内作業員

倉庫内作業をされていた方は、集中力があることをアピールできます。

  1. 腕力や体力がある
  2. ミスをしない集中力がある

貴施設の「ご利用者様の自立支援に尽くす」という理念に惹かれて志望しました。現在は倉庫内作業員として働いており、黙々と作業することが多かったため、人とかかわる機会が多い仕事に就きたいと考えております。

現職は基本的に立ち仕事で重い荷物を運搬するため、体力に自信があります。また、1つのミスで倉庫全体の作業がストップしてしまう環境だったため、作業を正確に行う集中力もあります。こうした体力と集中力を活かして、ご利用者様が安全に、楽しく毎日を過ごせるようサポートしていきたいです。

長く健康で過ごせるように自立支援にも力を入れている貴施設で一人前の介護職を目指したいと考えております。

トラック運転手

トラックの運転手の方は、長期間の運転をこなす集中力やストレス耐性などをアピールしましょう。

  1. 集中力を長時間保てる(夜勤にも対応できる)
  2. 常に安全を意識して仕事ができる

貴社の「すべての人を笑顔に」という社訓に共感して、志望しました。

私はトラック運転手をしており、昼夜問わず長時間にわたる運転を安全にこなしてきました。そのため、長時間の夜勤であっても仕事に集中して働くことができる自信があります。これまでは一人で仕事に取り組む機会の方が多かったですが、これからはチームで目標を達成していく仕事をしていきたいと思い、介護職を志しました。

さらに、貴施設はご利用者様、ご家族、そして仲間を笑顔にするという社訓を掲げており、ここでならチームワークを活かして沢山の方に貢献する仕事ができると考えております。ぜひ貴社で介護職として働きながら、介護技術を磨き、チームの一員として活躍していきたいです。

まとめ

ここまでで解説してきた志望動機のポイントのなかで、重要なものをまとめました。

  • なぜ介護職になりたいのか、なぜ応募先の施設がよいのかを書く
  • なぜ介護職になりたいのかは、エピソードを盛り込むと熱意が伝わりやすい
  • なぜ応募先の施設がよいのかは、「理念に共感した」が書きやすい
  • 前職でアピールできるスキルがあれば積極的にアピールする
  • 前職のアピールポイントがわからなかったら、人柄をアピールしても良い

上記のポイントを抑えて、書類選考や面接に臨むようにしましょう。