介護職として働いている方が、特養(特別養護老人ホーム)に転職したい場合の志望動機の例文を紹介します。他の施設と比べた特養の特徴や、志望動機の基本的な書き方も紹介します。

特養の志望動機の例文集をすぐに見たい方はこちら

特養(特別養護老人ホーム)とはどんな施設?

特養の求人に応募するための志望動機を書く前に、まずは特養がどんな施設なのかをしっかり把握しておきましょう。

介護職が働く場所の中でも特養にどんな特徴があるのか、他の施設と比較しながら紹介します。

特別養護老人ホームの主な特徴。介護度が高い高齢者が暮らす場所。「従来型」と「ユニット型」がある

1.介護度が高い高齢者が暮らす場所

特養(特別養護老人ホーム)とは、要介護3以上の認定を受けた高齢者が長期に渡って入居する施設のこと。

特養は公的サービスで、要介護度の高い方から優先的に入居しています。

介護付き有料老人ホーム(自立~要介護5)、介護老人保健施設(要介護1~5)といった他の居住系の介護施設に比べて、利用者さんの要介護度が高いのが特徴です。

また、民間法人が運営している有料老人ホームなどに比べて入居費の負担が軽いため、入居待機者が多い傾向にあります。

2.「従来型」と「ユニット型」がある

特養は、主に「従来型」と「ユニット型」の2つのタイプに分かれています。特徴は以下のとおり。

従来型 ユニット型
居室 数人の利用者さんによる相部屋 個室。共有リビングあり
スタッフ 大人数の利用者さんを複数のスタッフでケア 10人程度の少人数グループ(ユニット)ごとに専任スタッフがケア
特徴 周りのスタッフと協力しながら仕事を進められる一方、一度にたくさんの利用者さんを担当するため、個別のケアが難しい面も 利用者さんとスタッフが顔なじみになりやすく、個人のプライバシーを重視したケアもしやすい

現在、厚生労働省はユニット型施設を推進しており、2017年度にはユニット型の割合が43.6%となっています。

特養に採用される志望動機のポイント

特養に転職したい場合の志望動機の書き方について解説します。

まずは基本的な志望動機の書き方をおさらいしたうえで、特養ならではのポイントをまとめます。

志望動機の基本的な書き方

志望動機は、下記の3点を簡単にまとめましょう。

  1. 結論:なぜその施設に入職したいのか
  2. 経験(きっかけや根拠):どのような経験から、その施設で働きたいと思ったのか
  3. 入職後のイメージ:入職後、その施設でどのような活躍をしたいか

①~③それぞれに、自分ならではの考えをしっかり盛り込むことが大切です。

※志望動機の詳しい書き方はこちら『志望動機を書くときの3つのポイント

特養の志望動機を書く際のポイント

この施設が特養だからこそ応募したい!」と感じて志望動機を作るときは、特養の特徴もおさえたものにできると採用担当者へのアピールになります。

たとえば、以下のようなポイントを志望動機に盛り込んでみてはいかがでしょうか。

特別養護老人ホームの志望動機のポイント。利用者さんと長期にわたってかかわれる。ケア技術が高められる。

利用者さんと長期に渡ってかかわれる

特養は「終の棲家」としての役割があり、昼間だけ利用するデイサービスや、原則入居期間が3ヵ月に限られる老健などと違って終身利用する利用者さんがほとんどです。

そのため、介護職はそれぞれの利用者さんと数年単位の長期に渡ってかかわることが多くなります。

たとえば家族のような信頼関係を結んだり、利用者さんが徐々にお年を召して変化していくのに合わせて対応を変えることなど、「長期に渡ってかかわれる」ことにやりがいを見出している場合は、志望動機に盛り込んでみるとよいでしょう。

ケア技術が高められる

特養に入居している利用者さんは、同じく終身入居できる施設の有料老人ホームよりも介護度が高い方が多く、看取りを行うこともあるため、働くうえではある程度ケアに関する知識や技術が必要です。

その分、働きながら認知症や身体疾患に関する知識などを身に着け、ケア技術を高めていくこともできます

「特養で働くことで、ケア技術を高めていきたい!」と考えている場合は、志望動機に入れると特養の特徴をしっかり理解できているというアピールになります。

【状況別】特養の志望動機の例文集

特別養護老人ホームの5つの志望動機をチェック!

特養に応募するための志望動機の例文を紹介します。

1.従来型特養からユニット型特養へ転職

私は、ご入居者様一人ひとりにじっくり寄り添った介護をしてみたいと考えて、貴施設を志望いたしました。

私はこれまで、従来型の特別養護老人ホームに3年間勤務しておりました。たくさんのご入居者様を大人数のスタッフでケアする施設形態は、スタッフ同士で連携しながら手早く仕事を進めていくというやりがいもありましたが、なかなかお一人の方にじっくりかかわることが難しい環境でした。

貴施設はユニット型のため、より少人数のご入居者様と日々密接なコミュニケーションを取りながら個別性の高いケアができることに魅力を感じています。

今後はご入居様のその人らしさを支援できる介護職を目指して努力してまいりたいと考えております。

2.有料老人ホームから特養へ転職

私が貴施設を志望した理由は、ご入居者様と家族のような信頼関係を結べることに魅力を感じたからです。

前職の有料老人ホームでは、入居者の方を「様」付けで呼び、かなり丁寧な言葉づかいで話すように指導されていました。ホスピタリティの精神を高められるというやりがいもありましたが、ご利用者様が「スタッフの態度がよそよそしく感じられて淋しい」と言われたこともあり、よりアットホームな環境で働きたい気持ちが膨らんでいきました。

貴施設を見学させていただいた際、スタッフのみなさまがご入居者様と丁寧に接しながらも距離感が近いことに感激し、ぜひこの施設で働いてみたいと感じました。

採用いただけた場合は、これまで培ってきたホスピタリティの精神を活かしながら、ご入居者様に家族と過ごしているような安心感を与えられるスタッフとして活躍したいと考えております。

3.老健から特養へ転職

私はこのたび、一人ひとりのご入居者様と長期に渡ってかかわってみたいと考え、貴施設に応募させていただきました。

これまでの5年間、介護老人保健施設で介護スタッフとして働いたのですが、老健のご利用者様は入居期間が短く、基本的には3ヵ月で退所されてしまいます。在宅復帰された後の様子を知ることが難しく、自分がしっかりとその人のためになるケアができていたのかがわからないことを残念に感じておりました。

そこで長期に渡る関り方ができる施設で働いてみたいと考え、そのためには特別養護老人ホームがいいと思い、医療的なケアにも力を入れている貴施設を志望しております。

4.デイサービスから特養へ転職

私はこれまでデイサービスで、介護度の低いご利用者様とかかわってきましたが、子育てが一段落したいま、自分の介護技術をさらに高めたいと感じ、貴施設を志望しています。

先日亡くなった夫の祖父が認知症だったのですが、最期は家族とのコミュニケーションも難しくなってしまい、「介護職として働いているのに何もできない」と歯がゆく感じていました。もっと自分にできることがあったのではないかという思いから、より介護度の高いご利用者様が多い環境で知識や技術を身に着けたいと考えております。

貴施設では、これまで頑張ってきたレクリエーションにまつわる知識や人脈などは活かしながら、介護度の高い方への身体介助などのスキルを磨いていきたいと考えております。

5.介護未経験から特養へ転職

私は介護職としてのキャリアをスタートさせるにあたって、どんな施設でも働ける汎用的なスキルを身に着けたいと思い、貴施設を志望しています。

私はこれまで、飲食店で接客の仕事をしてまいりました。高齢のお客様も多い職場で、空いている時間にお話しさせていただくこともあり、コミュニケーションスキルには自信があるのですが、身体介助などはまったく経験したことがありません。

特別養護老人ホームのご入居者様は介護度が高い方が多いため、いろいろな介護度の方への介護技術を身に着けることができると考えています。介護職ははじめてですが、介護職の基本的な仕事を解説した本を読むなどして、勉強もしています。

これからはこれまで培ってきたコミュニケーションスキルを活かしながら、一日も早くお力になれるように頑張りたいと思っています。

キャリアアドバイザー
キャリアアドバイザーから一言

応募する施設の特徴を踏まえてさらにぴったりの志望動機を考えたい場合は、転職サポートに登録のうえ、キャリアアドバイザーに相談してみましょう。

(参考)
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)』(厚生労働省)

こちらもおすすめ

面接で聞かれる質問を優先度別にまとめています。回答例も紹介しているのでぜひ読んでみてください。

履歴書のポイントをまとめています。提出する前に重要ポイントをおさらいしておきましょう。

追加用