「介護職に興味はあるけど、未経験でも始められるのかな…」と悩んでいませんか? 当記事では、未経験で介護業界に入ってみたい方の疑問にお答えしていきます。

介護職は無資格・未経験でも始められる

介護施設のなかには、無資格・未経験の方を受け入れている施設も多くあります

未経験の方が採用されている背景には、介護業界の慢性的な人材不足があります。経済産業省のデータでは、2025年には32万人、2035年には68万人の介護職が不足すると予想されています。

そのため、応募のハードルを下げて「未経験可」「未経験歓迎」などと求人票に掲載している施設が多くあります。

未経験でも介護の仕事ができるのかと不安な方もいるかも知れませんが、仕事や研修などを通して、少しずつスキルアップをしていくのが一般的ですので、ご安心ください。

介護職の需要は増加する見込み。以下、年:必要とされる介護職員の数:人材供給数:不足人数。2025年:247万人:215万人:32万人。2035年:295万人:227万人:68万人。
出典:『将来の介護需給に対する高齢者ケアシステムに関する研究会』(経済産業省)よりWe介護編集部で作成

30代、40代でも未経験から働ける

介護業界は、ある一定の年齢までは未経験の方でも採用されやすい業界です。

20代~30代の方は、未経験の場合でも歓迎されることがほとんどです。40歳以上の方でも、ほかの業界に比べて未経験者が採用されやすく、セカンドキャリアに介護を選ぶ方も少なくありません。

年齢がネックになってくる目安は50歳~55歳です。定年までに働ける年数が短いため、未経験からひとり立ちするまでの期間が考慮され、採用のハードルが上がってしまうケースもあります。

40歳以上の方は、転職活動時に志望動機をしっかりと伝えて、「長く働きたい」という意志を伝えることが大切です。

キャリアアドバイザーから一言

もしいくつか応募をしてみて採用されづらいと感じた方は、先に初任者研修などの資格をとることを視野に入れても良いでしょう(※資格についてはこちらの項目で解説します)。

介護職って大変? 未経験に多い疑問とは

未経験だけど介護職になりたい方に多い疑問と、その答えをまとめました。

給料ってどのくらい?|未経験者の月収は約22~23万円 

未経験で介護職になる場合、夜勤手当を入れて月収22万円程度、手取り16万円程度になることが多いです。

介護職は、資格取得をしたり経験年数を積み重ねることによって、長期的に給与額のアップが見込めるお仕事です

【無資格・未経験の方の給与(月額)の目安】入居施設/夜勤有り/20代の場合:額面22~23万円(手取り16万円)※地域差があります。介護職は専門職のため資格の有無、勤続年数などによって、給与額が高くなる仕組みになっています。
※介護職へのヒアリングを参考にWe介護編集部で作成

勤続年数が長いと給与額は上がりやすい

介護職としての経験年数が⻑くなるにつれて、給与額も上が傾向にあります。平均給与額については、こちらのグラフをご覧ください。

勤続年数が長くなると平均給与額もUP。1年:28万3,480円。2年:28万7,940円。3年:29万1,010円。4年:29万6,700円。5年~9年:30万7,980円。10年以上:35万820円。1年目と比較して平均6万円以上UP
※令和2年度『介護従事者処遇状況等調査結果の概要』(厚生労働省)よりWe介護編集部で作成

上記の表の金額は厚生労働省が算出していますが、実際に受けとることのできる給与月額の額面は、以下の理由からそれぞれマイナス3~4万円を見ておきましょう。

  • 給与月額に手当や一時金などを含めて計算している
  • 国の加算制度に積極的に取り組んでいる事業所で働く常勤の方を対象としている

あくまでも、長年働いたときにどれくらい給与額が上がっていくのかという参考にしてください。

介護職の平均給与額は年々上昇している

厚生労働省によると、2020年2月の平均給与額は31万5,850円となっています。

国が処遇改善加算という制度で業界全体の給料を上げようとしているので、少しずつ上昇傾向にあるのです。

【介護職の平均給与額は上昇傾向】2016年9月:28万9,780円。2017年9月:29万3,450円。2018年9月:30万970円。2019年2月:30万120円。2020年2月:31万5,850円。※介護職員処遇改善加算(Ⅰ)~(Ⅴ)を取得(届出)している事業所における介護職員(月給・常勤の者)の平均給与額。介護職全体が、5年間で2万6,070円ほど月々のお給料がUPしていることがわかります
※平成28年度~令和2年度『介護従事者処遇状況等調査結果の概要』(厚生労働省)よりWe介護編集部で作成

資格はとらなくても大丈夫?|基本的には無資格OK

介護職として働き始めるタイミングでは、基本的に資格は必要ありません。

未経験で入ってくる人の多くは無資格で、働きながら資格を取得する方が多くいます

つまり、介護職はチャレンジするハードルを低く設定されている一方、資格を取得することで給与などの上がり幅が大きくなる、誰にとってもチャンスを得やすいお仕事といえます。

介護職として取得できる資格としては、主にこのようなものがあります。

  • 介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)
  • 介護職員実務者研修(旧ヘルパー1級)
  • 介護福祉士
【介護職の基本的な3つの資格】初任者研修:平均取得期間は約3~4か月。合計130時間の研修過程が必要。実務者研修:平均取得期間は約6か月。合計450時間の研修過程が必要。※無資格の場合。介護職員初任者研修などを取得している場合は一部の過程が免除。介護福祉士(国家資格):平均取得期間は約3年。3年以上の実務経験が必要。

仕事の基礎知識や技術を身につけるため、まずは初任者研修を、その次に実務者研修を取得していくのがスタンダードです。

そして介護現場で3年以上働くことで、国家資格である介護福祉士試験の受験資格がもらえます。

ただ、初任者研修⇒実務者研修⇒介護福祉士の順番で取得しないといけないわけではありませんので、資格を取得するときには要件を確認しましょう。

キャリアアドバイザーから一言

介護福祉士を取得すると給料が上がる施設も多いので、キャリアアップとして取得を目指している方も多くいます。

資格別の平均給与額を見てみましょう。

無資格と有資格者の平均給与(月額)の差額
無資格(27万5,920円)
初任者研修(30万1,210円)
実務者研修(30万3,230円)
介護福祉士(32万9,250円)
介護福祉士は無資格より平均給与額が5万円以上UP
※『令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要』(厚生労働省)よりWe介護編集部で作成

上記の表の金額は、厚生労働省が算出していますが、実際に受けとることのできる給与月額の額面は、下記の理由からそれぞれマイナス3~4万円を見ておくと入社後のギャップが少なくなります。

  • 給与月額に手当や一時金などを含めて計算している
  • 長年働いている方々の給与額も含まれている

あくまでも、資格をとった場合にどれくらいの給与額UPが見込まれるかの参考にしてください。


認知症介護基礎研修とは

2021年4月から、無資格の介護職の方に、認知症介護基礎研修という新たな資格を受講することが義務化されます。

これは2024年度末までに受講すればよいという3年の経過措置があり、新たに無資格で介護職になりたい方にとって、転職活動に直接的な影響はないためご安心ください。

初任者研修など他の資格を取らずに介護職として働く場合には、いずれは必須になる資格となります。

業務内容はどんなものがあるの?|大きく分けて2種類

介護職の主な仕事内容は、利用者さんが生活のなかでできないことをサポートすることです。仕事内容は大きく分けて生活援助と身体介護の2つがあります。基本的には両方とも実施することになります。

生活援助|生活環境を整える

生活援助は、利用者が生活するのに困らない環境を整える仕事がメインで、利用者さんの体には直接触れない業務を指します。

食事の支度、洗濯、買い物、掃除などが該当します。

生活援助をしている介護士のイラスト。洗濯をしています。

身体介護|日常生活の動作を支える 

身体介護とは、利用者さんの体に直接触れて、日常生活の動作などを支える仕事がメインになります。

具体的には、食事介助や入浴介助、排泄介助、更衣介助、移乗介助(ベッドから車椅子などに移動するのを手伝う介助)などがあります。

排泄介助に抵抗がある……という方も少なくありませんが、実践しているうちに慣れてくる介護職の方が多いようです。

身体介護をおこなう介護士のイラスト。食事介助をしています。

未経験で介護職に向いている人の傾向

下記のような方は介護職に向いており、採用されやすい傾向があります。

コミュニケーションをとるのが好きな人

介護職は利用者さんに声掛けをすることが不可欠なお仕事です。

そのため、高齢者の方とお話しするのが好き、接客業などの仕事をしていてお客様とのコミュニケーションに自信があるという方は、介護職になったときにその長所を活かすことができます。

身内の介護をした、介護をする予定がある人

身内の介護をしたことがあるという方は、介護職としてその経験を活かすことができます。

また、「身内の介護をするために勉強をしたい」という理由で介護職になりたい方は、その目的がモチベーションにつながるため介護職を続けやすいでしょう。

ほかにも下記に当てはまる方は介護職に向いており、採用されやすい傾向です。

  • 体力に自信がある方

  • 観察眼に優れている方
  • 周囲に気を配れる方…など

安定した仕事に就きたい人は介護職がおすすめ

景気に左右されない、安定した仕事をしたいと思って介護職になりたい方も少なくありません。

介護業界は慢性的な人手不足であり、これから高齢者が増えていくこともあって需要が見込めます。

さらに、介護職は専門性のあるお仕事のため、安定したい方には適している職業です。

転職活動のアドバイス

介護職になりたい方のために、転職活動をするときのアドバイスをまとめました。

未経験でも働きやすい介護事業の種類とは

未経験で入る場合には、研修制度が充実している施設がおすすめです。研修の有無や内容を求人票や面接で確認すると良いでしょう。

ちなみに、介護業界には大まかに3つのサービス形態があります

入所介護
入所は、利用者さんが住んでいる有料老人ホームなどの施設で働くことです。
訪問介護
訪問は、利用者さんのご自宅に訪れて介護サービスを提供するものです。
通所介護
通所は、利用者さんがご自宅から通って日中を過ごすデイサービスなどの施設で働くことです。

入所施設では研修制度の手厚いところがおすすめ

入所施設では、介護度が重い利用者さんが多い施設も少なくありません。体調が急変するなど、いろんな場面に対応できるように研修が手厚い施設を選ぶのが良いでしょう

特別養護老人ホームや老人保健施設などの公的施設もあれば、有料老人ホームなど民間の施設などいろいろあります。

どんな研修があるのか不安な場合には、面接時に質問してみるのをおすすめします。

老人ホームと利用者さんのイラスト

訪問介護は未経験・無資格では始められない

訪問介護では、介護職員初任者研修という資格が必要なので、無資格で介護を始めたい方には適していません。注意しましょう。

訪問介護では、利用者さんの1人で自宅に行って介護をするのが一般的です。そのため、働きながら先輩に教えてもらうといったことが難しく、未経験で働くのは少しハードルが高くなります。

訪問介護のイラスト。利用者さんのご自宅を訪問し、玄関でご家族に挨拶をしています。

通所介護は運転免許がいる場合もある

通所介護では、夜勤がないため生活リズムを整えやすく、介護度が重い利用者さんが比較的少ないので初めての方にとって働きやすいでしょう。

ただし、利用者さんの送迎があるので運転免許を要件としているところも多くあります

デイサービス施設と送迎者と利用者さんのイラスト

未経験で介護職に転職する方法は?

転職するために求人を探せる場所は、主に以下の3つです。ほかにも、施設のホームページから直接応募する、知り合いに紹介してもらうなどの方法もあります。

  • ハローワーク

  • 転職サイト
  • 転職エージェント

ハローワークを利用する

ハローワークでは、実際に足を運んで相談員と面談する、もしくはインターネットサービスを利用するという2つの方法で求人を探せます。

ただし、ハローワークの求人票は基本項目を簡単に記載されているだけのことが多く、働くときのイメージがしづらいというデメリットもあります。

転職サイトを利用する

介護士が転職サイトを閲覧・検索しているイラスト。

検索条件(場所、給料、資格条件など)を指定し、自分で望ましい条件の施設を探すことができます。どんな条件で働きたいかがはっきりしていて、なるべく早く転職したい人におすすめです。

ただし、転職エージェントに比べて専門のキャリアアドバイザーがつかないため、施設について調べたり、対策を立てたりする作業をすべて1人で行わなければならないデメリットがあります。

転職エージェントを利用する

キャリアアドバイザーと面談する介護士のイラスト。

転職エージェントでは、介護業界の転職活動に詳しいキャリアアドバイザーが、転職活動を支援してくれます。

キャリアアドバイザーは、採用されるためのアドバイスや業界事情を無料で教えてくれます。そのため、転職サービスの利用は未経験の方におすすめの転職方法です。

ただ、転職先との間にキャリアアドバイザーが入って相談を聞いてもらうことになるので、直接応募に慣れている方にとっては少し手間がかかると感じる方もいるかもしれません。